2006年04月25日

深田久弥

お仕事お休みの日、ちょっと足をのばして加賀の大聖寺まで行って来た

ある日の新聞、一つの記事が目にとまった
“山の文化館 あたたかいおもてなしでお礼状これまでに○百通届く・・・”
どんなおもてなしがあるのだろうと見てみたい好奇心で大聖寺番場町まで行って来た
着いて初めて思った
“ここってなんの施設?”
いつも理由、理屈が後でついてくる私
失礼かとは思ったが館内の係りの人に
「実は私ここのこと何も知らなくて来てしまったのですが。ここは何があるとこなのですか?」と聞いた
係りの方はとても親切に教えてくれた
“山の文化館”とは、深田久弥という山を愛した作家であり登山家の遺品、資料を展示した施設
1階には直筆原稿や万年筆、テントやピッケルなどの登山道具が展示してある
久弥に関する書籍、山に関する何でも本の図書室もあり、登山愛好者の交流の場でもある
“日本百名山”で有名な方らしく、彼の残した言葉はとても印象的だった
「日本人はたいていふるさとの山を持っている
山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている
そしてその山を眺めながら育ち、成人してふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている
どんなに世相が変わってもその山だけは昔のままで、あたたかく帰郷の人を迎え入れてくれる
私のふるさとの山は白山だった」 
初めて知る深田久弥という人物・・・優しげな目元のしわがステキな人
初めて知る大聖寺という町
緑色の小川があり、それに沿って桜の木がならんでいる
山がとても近くどこかのんびりした空気を持つ町
インドでガンジーミュージアムに行って来たのだが、そこと少し感じが似ている
建物は国の登録文化財に指定され、絹織物工場を改造したもの
入り口のいちょうの木はどのぐらいの年齢なのか、見事な姿だった
係りの方は「本当にようこそ」といった感じであたたかく、とても親切に館内を説明して回ってくれた
2階に上がると、懐かしい形のストーブがあり憩いのスペースとなっている
「ご自由にどうぞ」と温かいお茶の入ったポットと湯呑みが置かれていた
昔風のゆがんだガラス窓から見る、タイムスリップしたような景色
窓の外にはたくさんの山々、そのひとつが白山である
不思議とくつろげる空間
きっとこの建物、それを守る地元の思い、久弥を愛する人たち・・・
そのすべてが作り上げる心のこもったおもてなしの場所だと感じた

夜、金沢の一流料亭のひとつで食事会だった
サービス料15%という値段のついたおもてなし
お料理を運ぶお運びさんの慣れた対応、あいまいなプロ意識、空気を察することのないトーク etc
おしぼりばかりは何度も取り替えられたが、同じ日の真逆な二つの接客にとても考えさせられたのだった

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