2006年07月09日

香りの記憶

色気ゼロのサッパリ美人魔女がフランス旅行から帰国!

「おっかえり~!!」
彼女が帰国して初対面がお茶のお稽古場だった
私は嬉しさのあまり先生そっちのけで、水屋で彼女を捕まえ根掘り葉掘り話を聞く
それでも足りずに、自分のお稽古が終わるといそいそと彼女の隣に座った
「ねぇ、フランス人てカッコいいの?!雑誌に出てるみたいなハンサム歩いてる?」
私の質問は小学生並だが、彼女はどんな質問にも快く答えてくれる
“持って生まれた人の良さ”
向き合う相手をホッと安心させてしまう力を持っている人である
「何かね~。フランス男の人は優しいんですけど、女の人はすごい感じ悪いんですよ
窓口でメモ見せたら、フンって鼻で笑われましたわ」
・・・何となく分かる
私もイタリアに行った時、男性陣はこの上なく優しかった
スーツケースを持っていると誰かしら必ず手を貸してくれたし
道ばたで地図を広げようもんならあちこちから
「どこ行きたいんだ?!」「困ってるのか?どうしたんだ?」とワヤワヤ人が勝手に集まってくる
旅行会社の人が言っていたが、ヨーロッパ系は女性が上げ膳据え膳される側だから
“してもらって当たり前”と子供の頃から教えられるらしい
本当かどうかは分からないが・・・

帰り道、彼女からおみやげをもらった
可愛いチョコレートとリップクリーム
おみやげって友達が多いほど買うのも持って帰るのも大量だから、旅の結構な大仕事である
そのものが何かということよりも、現地で自分を思い出してくれたことが嬉しかったりする
ちょうど1年前、友人が神戸から一輪の真っ赤なバラを私のために持って帰って来てくれた
「特別なバラだからあなたにあげたくて」
その気持ちや、労力(生ものや割れものを持って帰ることの大変さ)にすごく感動した
この友人が男性ならもっと素敵な話なのだが(笑)

おみやげからは・・・異国の香りがした
花屋の友人が毎年花屋を閉めて長期休みをとり旅に出るのだが
以前彼女にインドみやげをあげた時のメールを思い出した
「おみやげからインドの香りがしました
自分が旅したときの情景が目に浮かんで、とても懐かしかった
『香りの記憶』っていうのはなくならずにずっと体に残っているのね」

『香りの記憶』は、気付かないうちに頭の中に勝手にインプットされている
音楽と同じで、触れた瞬間にその時の思いが鮮明によみがえってくるもの
香水、雨のにおい、その土地の空気
そしてそれに関わる人達、状況、自分自身の感情etc
たくさん経験するほどエピソードも比例して増えていく
“経験はお金では買えない自分の財産”
経験はその人の深さにつながる
彼女からもらったおみやげを見ながら、そんなことを思ったのだった

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