東茶屋街ぶらぶら日記

先日の就任式で、我らがＢ社長は『Ｂ会長』になった
「ぼけないように、これからもうるさく口出しするぞ！」
そんな風に言っていたが、少し寂しそうにも見えた
役員会で・・・
いつも超ロング演説節のＢ会長だが、この時はたった１点のみだったらしい
「とにかく働いてくれる社員を大事にしなさい」
まだまだ現役バリバリのＢ会長
少し早いバトンタッチには、きっとたくさんの思いが込められているのだろう
今私は新しいお菓子を企画しているのだが、お菓子屋の社長とこんな話をした
「Ｂ会長が１３年間守り続けてきたお菓子を変えることには、正直今でも少し抵抗があります・・・
だからこそその責任の重大さを忘れずに、何とかして結果を残したいと思っています
まずはお客さんに喜んでもらうこと、それがＢ会長に喜んでもらえることだと信じています」
しかしお菓子屋の社長は、意外にもこんなことを言った
「Ｂ会長はちゃんと割り切っておられますよ・・・
若い人たちの感性を伸ばしてあげたい、そんな思いを私に話しておられましたから」
その場で何だか胸がいっぱいになってしまった

「己の私欲のために何かするものではない」
そう言って、いつも誰かのために動いているＢ会長
町のため、会社のため、そしてさっき知り合った見ず知らずの人のために
１年間、Ｂ会長のそばで見たもの
たくさんの思いやりと優しさ、たくさんのヒラメキとアイディア、そしてたくさんの情熱etc
書ききれないくらい、本当にたくさんの事を教わった
節分祭で「あんたどこの人や？」と話し掛けてきたＢ会長
私はすっかりナンパされたのだと思い込み、超有名人の彼に
「どちらさんですか？」と言って周りをどよめかしたのが懐かしい（笑）
「わしはもう隠居や。水戸黄門やぞ」
“Ｂ社長”が最後に私達に見せてくれた『引き際の潔さ』は見事だったと思う
日本人の美意識を強く心の芯に持っている人

新しく常務になった料理長が就任式の時こう言った
「たくさんの企業でお勤めし、いろんな人に出会ったがＢ会長ほど温和で心の優しい人はおらんかった
どんないい条件がこれからあろうとももうここから動かん、自分の最後の職場やと思っております」
男が男に惚れたセリフ
映画のワンシーンを見ているような気がした

今年の節分祭はＢ会長のアイディア、東茶屋街ど真ん中で餅つきが行われた
芸妓さんや私達毘青会がそれを振る舞い、大盛況だった
それから恒例、神社での豆まき
今年はお天気も良く１０００人近くが集まり、境内は人でびっしり
私の友人もたくさん来てくれた
嬉しそうに豆をまくＢ会長
「がんばってねー」
ついつい私も嬉しくなり、意味不明の声をかけてしまう（笑）
『Ｂ会長と私が出会った記念日』
いつの間にか節分は、私の中で特別な記念日になっていた